こんにちは、接遇コンサルタントの磯貝和美です。
先日ご紹介をした「わたしはコンシェルジュ」についての続編記事です。
ホテルのコンシェルジュと聞くと特別な職業のように思えますが
阿部さんが大切にしていらっしゃることはホテル独特の内容ではありません。
ご本人もおっしゃっていますが、どんなサービス業にも共通したものばかりです。
・明るい表情でお客さまの目を見ること
・お客さまの名前と好みを覚えること
・こちらから先に声をかけること
・360度に気を配ること
・役柄を演じること
あなたのお店はどのような形態ですか?
お客さまの名前を聞く機会がある、もしくは機会を作れるお仕事でしょうか。
「お客さま」と呼びかけられるより「磯貝さま」と言われた方が反応します。
笑顔で名前を呼びながら話しかけられると相手の話を聴く気持ちが生まれます。
何より、サービスをする人が自然と丁寧な応対をすることができるのです。
お客さまという言葉は万人に対して使うものなのでマニュアルに埋もれやすいです。
何か説明をするにしても通り一遍の説明になってしまいがちなのです。
でも、磯貝さまと呼ぶことによって自然と「個」に対する意識が生まれるのです。
「名前を呼ぶこと」を意識するだけでお客さまとの距離がぐっと近づきますよ。
お客さまに呼ばれてから伺うのは当たり前、呼ばれても反応しないのは問題外。
呼ばれる前に気づいて反応するのがお客さまの記憶に残るサービスです。
常に「お店全体に意識を向けよう!」と思っていれば必ず気づけるようになります。
とは言え、ジーッと入口を見張ったりお客さまの行動を目で追うのは止めてくださいね。
あくまでも自然な動きの中でお客さまの心の声に気がつけるようになりましょう。
先の記事の通り、コンシェルジュデスクには1日に200~300件のリクエストが届きます。
次から次へとお客さまが訪れるなかでのマイルールが30分ルールと10秒ルールだそうです。
ちょっとした調べ物であればお客さまからいただく時間の限度が30分。
応対中のお客さまの後ろに新たなお客さまが並ばれたら10秒以内に一声かけること。
あなたはお客さまのご要望に即答できないときはどのようにお伝えしていますか?
「少々お待ちください」もしくは「お調べいたしますので、少々お待ちいただけますか?」でしょうか。
言葉づかいの観点で考えれば前者より後者の方が良いですよね。
でもどちらも共通しているのが「少々」というあいまい表現を使っていることです。
「少々」「少し」「しばらく」は人によって受けとめ方が変わります。
1~2分なのか10分程度なのか1時間以上なのか・・・残念ながら明確な基準はありません。
例えば、電車が遅延していてホームで待ちぼうけになっているとしましょう。
電光掲示板には次の電車の到着時刻が表示されていません、いつ来るのやら・・・
会社に連絡しないといけないのに・・・不安が募ってくると不満になりイライラが爆発します。
次の電車の到着時刻がわかれば対策が立てられるので冷静に待つことができますよね。
「少々お待ちください」は便利なのでついつい遣ってしまうという方が多いと思いますが
「○分ほどお待ちいただけますでしょうか」と明確に表現する方が気分よくお待ちくださいますよ。
どうしても時間が明確にお伝えできないときはどうしましょうか。
「○番目にご案内いたしますので、おかけになってお待ちいただけますでしょうか」と
お待ちいただいている人数をお伝えして察していただくというのも一つの方法かもしれません。
近くに時間をつぶす場所があるなら、順番が近づいたらご連絡するということで連絡先を伺って
お客さまに待ち時間を自由にお過ごしいただくのも良いかもしれません。
あなたがお客さまだったらどんな提案をされたら気持ちよく待てますか?
お店側の視点、都合はいったん置いておいて、お客さまの心を想像してみてくださいね。
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